KLAN2最終報告書:
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3.4.ネットワークリテラシー教育
「マルチメデイアを活用した21世紀の高等教育の在り方について (マルチメデイアを活用した21世紀の高等教育の在り方に関する懇談会報告)」の中で、http://www.monbu.go.jp/singi/j9607017.html には、
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学生の学習活動等に対する支援
学生の学習活動における活用 : すべての学生が、入学当初から、マルチメディア活用能力を積極的に身に付けることが望ましい。そのため、各高等教育機関においては、すべての学生が24 時間自由にコンピュータを使うことにより、情報を入手したり、レポートを作成して電子メールで提出できるような学習環境を整備することが重要である。
また、学生のメディア利用に際しては、ティーチング・アシスタント(優秀な大学院学生に、教育的配慮の下に教育補助業務を行わせ、大学教育の充実と大学院生への教育トレ−ニングの機会提供を図るとともに、大学院学生の処遇改善の一助とする)による授業補助等の指導体制の充実も望まれる。なお、学部学生を指導の補助等に活用することにより、指導体制の充実を図るとともに、あわせて、指導する学生本人への教育に成果をあげている事例があり、各高等教育機関においては、こうした活用についての検討も望まれる。
図書館資料等の電子化への取組 : 情報処理・通信技術の急速な発達により、画像や音声等を含むマルチメディア情報等の電子的情報資料へのニーズが高まっているため、大学図書館に、従来の機能に加え、それらを収集し発信する電子図書館的機能を整備する必要がある。そのためには、大学図書館を中核としながら、学内情報処理関連施設との連携を図ることも重要である。また、国公私立の博物館・美術館等の情報資料を活用した学習活動の推進も望 まれる。
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とあります。
「マルチメディア活用能力を積極的に身に付けること」が、即ち、「ネットワークリテラシ教育」です。
ここではネットワークリテラシー教育に関する報告を行います。
3.4.1.電子制御工学科のネットワークリテラシー教育
- 報告者:舟田 電子制御工学科教授
- 電子制御工学科のカリキュラムでは、1996年4月に、いわゆる「コンピュータ言語教育」という従来の教育方法を廃止してしまいました。「コンピュータ言語教育」は、これまでと比べ、高学年に移動しました。代わりに、低学年には、「いかに楽しく、コンピュータになじむか」という方針を出しています。
- 最近の「ネットワーク・コンピュータ教育」に関する教科改訂は、従来の方式での改訂では間に合わないので、1-5年生のカリキュラムを一斉に変えたことになります。
- 「改訂初年度の取り組み」が、試行的に「1996年度D3集中講義資料」で行われ、学科を挙げて「平成8年度 電子制御工学科卒業研究中間発表会」となり、現在も実験・演習の中で進められています。
- 上記の「審議会答申」を先取りして進められた「電子制御工学科のカリキュラム改訂」は初年度成果を出して、もうしばらくで、終わろうとしています。
- Internet上には、既に、沢山の情報があります。最近の商業ベースの情報に押されて隠れてしまった感がありますが、教育関係の情報はかなり蓄積されています。
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既に昨年度klanに流した情報ですが、日本の教育関係の情報として、「インターネットと教育」( 大阪教育大学 )
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/educ/
があります。特に、昨年度の「100校project」など、よく見ておいて頂きたいものがあります。「日本の教育」の取り組みは、1995年に急速に増えました。
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情報系の「稚内北星学園短期大学」
http://www.wakhok.ac.jp/cgi-bin/read-query//jptoeng
があり、そこには、「稚内北星ビブリオン」
http://www.wakhok.ac.jp/biblion.html
というon-line text/documentsがあります。
#私は、高専規模の教育機関での情報処理教育に非常に参考になる資料だと思います。昨年から今年にかけての電子制御工学科のカリキュラム改定に当たり、大変参考になりました。「情報英語」という科目もあったと思います。
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「国内 機械系学科WWWサーバ一覧」
http://www.mech.kyutech.ac.jp/link/mech_index.html
もあります。(多分)昨年の秋よりも、かなり内容が更新されている筈です。
3.4.2.ネットワークリテラシーと教育環境
- この報告は以下の方々の討論になります。
- 討論参加者:
- 野沢 一般科目教授(噂の哲人)
- 澤 電子制御工学科教授(情報処理教育センター長)
- 遠山 電子制御工学科助教授(keyboard の達人)
- 野沢
- 前に噂の哲人とかいう人が、ゆっくりやろうとかいっていましたが、若い学生たちに技術を習得する環境と機会を与えるのはゆっくりやっていたんでは、だめではないでしょうか。卒業するときキーボードが打てないのでは、まともな高専卒とはいえないじゃないですか。
- [klan2コメント]
- 噂の哲人とだいぶ違うな。教師になるとみんな鬼になる?教師と言うのは因果な商売やな。]
- 遠山
- 設備の方は経費の問題が絡んですぐとは行かないかもしれないけれど、キーボード操作ができるようになる機会を改善することはカリキュラムの変更で可能でしょう。できるだけ早く改訂に手をつけたほうがいいと思います。
私は,以前豊橋技科大におられた大岩先生の研究室で開発されたソフトでブラインドタッチを練習しました。レベルに応じてはじめは,ホームポジションを覚え,一番動かし易い人差し指と中指だけを使って練習を始め,慣れてくると薬指→小指と扱う指が増えてくるようになっています。
習い初めて,2週間程度で,スピードは遅いかも知れませんが,キーボードのどの位置にどのキーがあるか覚えることができると思います。
- 日本語を入力する場合は,母音のキー,つまり,”a,i,u,e,o”の場所と子音のキー,”K,S,T,N,H,M,Y,R,W”の位置を覚えてしまえば,大丈夫なので,英語を入力するよりもずっと楽です。
- ソフトは,フリーウエアですが,残念ながら,PC98にしか対応しておりません。最近,PC98のソフトをウインドウズ上で扱うことができるソフトが発売されていますが。このソフトがこれでウインドウズ上で使えるかどうかは試しておりません。
- ちなみにブラインドタッチをマスターすると,パソコンに向かうときの姿勢が良くなるので,肩が凝りません。目は,相変わらず疲れますが・・・。
- ブラインドタッチが理想ですが、キーボードで入力できれば、1本指でも結構で、ともかく抵抗なく使えれば方法は何でもいいだろうと思っています。
- 野沢
- 5年生にリポートをファイルで出してくれといったら「手で書くより無茶苦茶時間がかかってそんなことできませんよ」という反応がありました。信じられないかもしれませんが、決して「ごく少数」ではないのです。こういう事態を改善したいと思うのです。
私は,すでにレポートは,電子メールで提出させています。お陰で,部屋はすごくきれいになりました。と言いたいところなのですが,散らかっています。
- 積極的な学生は,text形式ではなく,html形式でしかもファイルを添付して送ってきました。最近では,自分のレポートが,どこにリンクされているか通知されるだけです。
- 遠山
- 私も実験レポートをメイルで出させていますが、ここで,問題となるのは,こちらが受け取ったかどうかの確認です。残念ながら,学生は,1人1台づつパソコンを所有しているわけではないので,我々が行っているような電子メールでの会話は(現状では)不可能です。そのため,必ず,学生に部屋に来るように伝えております。そして,画面を見ながら,レポートの関する口頭質問をしております。
- 間違っている箇所は,修正させます。まだ,このような形式でのレポート提出をはじめたばかりなので,レポートの内容については,あまりとやかく言っておりません。目的は,校内LANを学生にフルに活用させることにあります。ですから,あまりうるさいことは言わず,使わせるようにさせています。学生の反応もよく,これからは,電子メールでレポートを書くようにしてほしいとメールの最後に書いてくるものがほとんどです。(信じられないかも知れませんが,本当です。証拠は,私のメールボックスにたくさんあります。)
- ですから,特に時間を設けなくても,その機会をこちらから準備するのがよいのではないでしょうか。もちろん,電子メールを送るための演習室が必要になりますが・・・。
- 澤
- 私の認識では、各科がセンター専任教官と協議して1・2年生の情報処理教育の内容を決定していることと思っております。
- ただ、専任教官からは、各科の要望がいろいろなので、それぞれに適切に対応しなければならないのはロードであるといっておられたので、こちらからすべての学科の学生に共通した必要な内容を提示して、これだけ教えるようにできたらいいと考えております。ところが、専任教官の受け持ち時間が各科バラバラだということですので、それを含めて教える内容も統一できると有り難いと思っています。それには全学科の合意がいります。
- まともにコンピュータ操作も出来ない学生を無くす方法は、教え方の問題もあるでしょうが、それよりもいろいろな先生がいかにコンピュータを使って仕事しているかを見せ、学生に実際に課題を与えてコンピュータを触らせるのが最もはやいと思います(D科の場合、ロボット開発の実習で設計書はPCワープロで書かせますし、図面はCADで、いろいろな授業で電子メールなどPCを使わせていますので、操作できないなんて言ってられません。)。そのための環境がまだ不十分だというのが私の認識です。
- この情報処理に関する低学年共通カリキュラムの問題は重要な問題です。「具体的なカリキュラム案」が蓄積されれば、実際の改定は簡単にできると私は思っていますが...。改定案を作成して教務委員会に提起するのは、各学科の仕事ですから。
- 従来は、情報処理教育の内容に関しては、センター運営委員会ですべて審議することになっていましたが、昨年度の規則の改正により各科の教育を支援することとしました。つまり、各科の情報処理教育は各科が責任持って考えていただき、センターがそれをお手伝いするという形です。したがって、改定案も各科で考えていただいたのですが、特に、センターを使用する部分については、各科の代表が集まる運営委員会で審議するのが妥当だと考えます。逆に、センター抜きで改定案を考えられても、センターとして協力できないことが起こるかも知れません。新しいセンター規則第7条及び第8条は運営委員会のことを規定しておりますが、センターの円滑な運営のための調整機関として運営委員会があると考えております。
- センター専任教官が担当する1学年の情報処理教育の内容につきましては、センターとしては各科共通でお願いしたいと思います。従って、その内容に付きまして少なくとも担当者を入れて議論していただきたいと思います。その場としては、センター運営委員会が最適だとおもいます。運営委員会の結果を教務委員会で認めていただくのが筋道ではないかと思います。
- 野沢
- 情報処理学会の文部省委託調査研究「短期高等教育における情報処理教育の実態に関する調査研究」平成6年度報告書の p.15「共通基礎としての情報処理教育」のどこまでを本校で実施すべきか検討する必要があると思います。Netの導入に、教育内容もあわせる方がいいと私は思います。キーボードの問題はその入り口です。
- 澤
- 情報処理学会の調査研究結果は、高専の共通でしなければならない情報処理基礎という科目としてコンピュータ・リテラシー教育と、アルゴリズムとデータ構造を基本としたプログラミング教育からなる合計6単位をあげています。しかしながら、非情報系の学科ではそんなに出来ないよ。「どうすりゃいいの?」など議論が今年の3月に専情委でありました。その議事録を専情委HPを本校で公開しております。
- http://info.numazu-ct.ac.jp/senjoui/41gijiroku.html#4
- 本校でも、これをたたき台として検討をしたいと考えております。
- 遠山
- キーボードになれるための時間というのは,こちらが,週に何時間と用意してあげても,たぶん無駄になると私は思います。こんなことを言うと叱られるかも知れませんが,語学と同じで,授業で勉強するよりも,海外へ行くなり,外国の映画を見るなり,体験することの方が,ずっと覚えが早いのです。ですから,授業より,いろいろな機会に,パソコンを利用させることの方が先だと思います。
- その意味で,各学年でパソコンをさわれる環境を整備することは大切です。澤先生が,1・2年は,センターで,3・4年は,各学科で,5年は,卒研で,ということを提案されていたと思いますが,形はどうであるにせよ,学校側が,積極的にパソコンを使わせることが大事だと思います。それも入学した直後から卒業する直前までです。
- 学生は,覚えるのは早いし,応用も利きます。私もある程度パソコンを扱うことに関して自信があるのですが,学生とパソコンのことに関して話すときは,ほぼ対等か,彼らの方が最新情報に関しては,上だと認識しております。要は,学生に早いうちからパソコンに興味を持たせること,パソコンでどんなことができるのか,言葉でなく体験から覚えさせることが大切だと思います。
- 澤
- そうなんです。「環境を整備すること」が急務です。
- それと我々の意識改革が重要になります。「コンピュータを使う授業=情報処理教育」という時代は少し大げさに言うと、もう終わりました。情報処理教育は今後も重要ですが、コンピュータ利用の授業の幅が格段に広がると私は考えます。
- 野沢
- コンピュータもOHPなどのような教育機器になってい(き)ます。電子化された教材が次々に生まれてくるでしょう。そのために一般科目も端末のある教室が必要だと考えるのです。視聴覚室にも端末と大画面のディスプレー(可動式でも)がある方がいいでしょう。
- 澤
- 確かにそうですね。時間を用意するというだけで解決する問題ではないのです。「キーボードが抵抗なく操作できる学生を育てる」という我々の意識の方が大事なようです。ここが欠ければ、機会があろうが環境が整っていようが、無駄になるかもしれませんね。学校全体でそういう方向に考えがまとまっていってほしいですね。
- 野沢
- 校内LANは事務処理には大いなる威力をすでに発揮していますが、 教育での利用となると、教官個々人の教育用の資料収集や作成以外には、 実質的な効果はあがっていないと思います。これは、本校では一部を除いてほとんどの科が、 今のところLANを利用できる環境と技術を学生に提供していないということと関係があると思います。
- 先日、5年生にリポートをメイルで送ってもよいといったのですが、 驚いたことに、クラスによっては、5年生になっているのにキーボードを満足に使えない学生が多数いて、 ワープロで書けないというのです。紙に書くのと比べるとものすごい時間がかかるというのです。 また、自由に使える端末が無いという学生もいました。メイルを使ってリポートを出そうとした学生の中には使わせてくれる先生や他科の学生を捜したり頼んだりする苦労をした人がいました。
学生にメイルアドレスを与えることに何か問題があるのでしょうか。
- 澤
- 本校の学生はセンターからUNIXベースでメールを出せるはずです。
- 野沢
- 現実はどうなっているかといいますと、今回のリポートで、センターから送られてきたのは1通もありませんでした。センターに行けばメイルが使えるはずだと教室でいったことはあるのですが、彼らは「知らない」「使えない」というのです。
- 澤
- UNIX ベースだからお手軽に使えないというものではありません。演習室のように1台のマシンを不特定多数が使う場合には、OS はマルチユーザ OS であるべきです。問題は、ファイルの作成しろメールにしろ、使いやすいアプリケーション(エディタやメーラー)がちゃんとインストールされていて、その基本的な操作方法をひととおり講習されているかどうかです。(UNIX の場合、それらのアプリケーションのほとんどは、フリーソフトとして提供されているので、お金のことを心配する必要はありません。)
- 学生のコンピュータ利用の問題は、センターの取り組むべき重要な課題であると認識しておりますが、学生が自由に扱えるコンピュータの絶対数が不足しているのが現状です。自由に扱えるというのは、空間的に、時間的に使いやすいというだけでなく、操作上扱いやすいということと同時に必要な機能も付いているという意味もあります。
- 空間的にというのは、センターと学生が通常居る場所との位置関係です。電子制御や制御情報のように学科棟内にコンピュータ演習室があれば使いやすいということです。現に、レポートがセンターから出されていないのは、そのためということもあるでしょう。
- 時間的にというのは、学生が使いたい時間に使えるということで、センターや電子制御では昼休みと放課後に学生が使いに来ています。放課後に、他のクラスが授業で一斉に使っていると使えないのは当然ですから、沢山使わせようというのであれば、なるべく7・8時限に一斉授業で演習室を使用しないことが必要です。センターや電子制御の場合、そうなっています。
- 最後に操作上・機能上の問題です。電子制御ではWindowsマシンですから使い方は至って簡単で、必要な事項をあらかじめ学生に教えておけばあとは学生がどんどん使って行けます。一方、現状のセンターの場合、第1演習室のWSはUNIXベースが基本ですが、ライン・コマンド入力ベースですと、初心者には難しいと思います。
Sun-ViewというWindowシステムが使えますが、これは軽くて使いやすく、Eメールを書くのに必要な日本語環境もありますので、結構1・2年生は使っているようです。ただし、CRTがモノクロということもありWebのブラウザはインストールされていません。マシンとしては十分にインターネットに対応できず、最早時代遅れなのです。ただし、'97年度からは、UNIXとWindowsNTの両方が使える新システムが稼働します。
- 第2演習室にはこの間まで、旧式のMacが30台弱あって、その他にインターネットに対応した比較的新しいMacが5台あった程度でしたが、現在は40台程度のMacをインターネットを利用できる状態に整備中です。
- 従って、LANの端末として、センターで学生用に用意できるマシンは今年度は現在まで、旧式のものが50台程度でしたが、来年度には100台程度になります。しかしそれでも学生一人当たりの台数は0.1台、10人で1台程度なのです。これでは学生が使いたいと思っても使えないという状況が起こると思います。レポートをLAN経由で提出せよという課題が、学科に演習室がなく、しかもセンターでの授業が無い上級生に与えられたとき、その多くはセンターのマシンの使い方をとっくの昔に忘れていることでしょうし、彼らはとても不満に思うことでしょう。
- こう言った学生の状況を考えると、LANを本格的に教育に活用するためには学生用マシンの整備が急務です。そして、センターとしては学生用マシン台数の確保はスペースを拡張し要員も増やさない限り目一杯といったところですので、後は各学科で対応していただくより手だてはありません。
- 5つの学科でそれぞれ40台のマシンを整備していただければ、センターと合わせると約300台になり、全体で学生一人当たり0.3台、3.3人で1台程度にできます。もしもセンターのマシンを1・2年専用とし、各学科のマシンを各学科の3年から5年専用とすると、センターでは下級生一人当たり0.25台、4人で1台になり、各学科では上級生一人当たり0.33台、3人で1台になります。相当改善できます。
- これからの学生は学科にかかわらず一様にコンピュータとネットワークを駆使して勉強する時代になってきていると思います。学生のコンピュータ環境の整備を各学科が積極的に進めていかないと、世の中の進歩に乗り遅れることになります。
- 今年からNTTがOCN(Open Computer Network)というインターネットのバックボーン・サービスを低価格で提供しだすことになっており、今後、家庭への普及も加速的に進むものと思われます。インターネットを使えるか使えないかは、必要な生活情報を手に入れることができるかできないかを意味し、その違いで、生活水準が決まる世の中になります。設備が不十分の学科の学生の不満はますますつのり、時として教官との信頼関係まで損ないかねません。
- 学生のコンピュータ環境改善を積極的に行ってはじめて、LANの本格的な教育利用が可能となり、時代に適合した教育を進めることが出来ます。
- センターとしては、低学年へのコンピュータ&ネットワーク・リテラシ教育を中心に進めて参りますが、上級生への情報処理教育は各学科のコンセプトに適合する形で各学科が責任を持って進めていただくことになっております。そのための可能な限りの支援もまたセンターの役割です。センターの規則も昨年に、このように変えております。各学科は是非この際、学生のコンピュータ環境の整備を進めていただきたいと思います。
- 後は、適宜、学生にノートブックを買わせて、LANに接続させる手だてを与えればさらに良いでしょう。まだノートブックは高価なので、まだしばらくは学生にノートブックの購入を強制することはできないと思いますが、だんだんと購入者が増えてくるのは確かだと思います。それをネットワークにつないで使える環境を用意しておくことは、だいじなことだと私も思います。
- またこの時、接続するパソコンには、プライベートアドレス( LAN 内部で自由に使っていい IP アドレス)を DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol) というプロトコルで動的に割り振ることで、サーバ側の設定の繁雑さやアドレス不足問題を解決できます。この場合インターネットへのアクセスは、必然的に Proxy server 経由ということになり、学外回線の traffic の軽減にもつながります。
- ということで、この環境は比較的簡単に実現できると思います。
- この話は以前、寮で学生がノートパソコンをつなぎたいという要求があるがどうすべきか、という話が出た時に述べた意見ですが。
- 現在のところ利用者はまだあまり多くないこともあり、マシンに スタティックに正規の(プライベートでない)アドレスを割り振っ ているようです。私の記憶では確か、教室には情報コンセントとケーブルが来ているだけでLANの制御装置はつながっていなかったと思います。
3.4.3.制御情報工学科におけるIntranetの構築状況
- 報告者:長谷 制御情報工学科助教授
- [0] 電子メールの活用&メーリング・リスト研究生との間の連絡を電子メールで行う。
- [1] ファイルの共有:教官室と研究室が空間的距離がある状況で互いのPC(OS:MS95)のファイルを 共有する。研究室内にPCが複数台ある状況でのプログラムソースの共有管理。
- [2] リソースの共有:研究室内にPCが複数台、プリンターが1台ある状況でのハードディスクMOなどリ ソースの共有。
- [3] 遠隔授業(授業とまではいっていないが)と評価:教育センターと教官室の端末
- [4] 知識の共有化:講義&演習データ・ベースの構築
3.4.4.物質工学科における校内LAN教育活用環境
- 報告者:芳野 物質工学科助教授
- 私のところで、学生用サーバーをなんとか立ち上げました。
- klan2の委員、オブザーバの皆さんによる、多大なるご協力とご助言をいただきましたことを感謝いたします。本当は3月中に立ち上げる予定だったのですが、マシンの入荷が大幅に遅れ、設定にも手間取ったため、1カ月も遅れてしまいました。
- これにより、教官と学生のネットワーク上の作業領域の区別が明確にでき、教官データの保護が一段と高まったことと思います。学生にとっても、自由に使えるサーバーができたことは、ネットワークに関する作業環境上大変よいことであると思っております。
- 今後、学生への簡単な講習会を高学年から順次行い、終わった学年からアカウントを発行していく予定です。講習会では、学科内でのインターネット利用時のエチケットについて、倫理的な面も含めて簡単に説明するつもりです。センターでも講習会をやってくださるようですので、学生は合計2回の講習会を受けることになり、より理解を深めてくれることと思います。
- 現在、本学科には27台のクライアントがあり、教職員は14名ですので、学生用のマシンは単純計算で13台ということになります。今後は、この学生用マシンを増やしていくことが重要ですが、学科でもこの件に関しては積極的であると理解しております。
とりあえず、今回の学生用サーバーの使用一覧を以下のURLに置きました。
http://www.busitu.numazu-ct.ac.jp/chemhome/server.htm
本学科のホームページからもたどれます。宜しかったらご覧ください。また、詳細につきましては、ご質問くだされば私の分かる範囲でお答えします。
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